ももいろクローバーを辞めて丸5年、女優の道を邁進中の
早見あかりさん。
自身初となる舞台を前に、不安と期待入り混じる胸中を語ってくれました。
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「このお仕事をしていると、初の悪役とか、初の何時枠ドラマとか、いろんな“初”を取り上げられます。
でも、今回の“初舞台”に関しては、本当に本当の初。事務所に入ったばかりの中学生の頃みたいな気分」
実感がこもる力強い口調。その
早見あかりさんの記念すべき初舞台とは、白井晃さん演出の『夢の劇』だ。
「舞台って自分とは無縁だと思っていたので、自分が出るとは考えたことがなかったんです。
だから、なぜ今回、自分がやるって言っちゃったのかわからなくて。
でも、気づけば、
ももクロを辞めて丸5年で、今年21歳。
ちょうど新しいことに踏み出す節目なんだなと思います」
原作の戯曲は百年以上前のもので、書かれた当時は上演を目的としていなかったそう。
神の娘・アグネスが地上に降り、さまざまなことを経験していく。
時空の違う場面が?ぎ合わされた不思議な手触りの作品だ。
「難解と言われるホンですが、白井さんからすべてが夢だと思えば説明がつくと言っていただいて、
スルッと理解できたんです。夢ってなんの脈絡もなく進んでいって、現実では知り合いじゃない友人同士が
仲良くしていたりしますよね。どの場面でも、そこにいる人々はいかにも知り合いのように私が演じるアグネスに
接するんですが、その理由を追求するよりも、自然にそこにいられたらいいのかな、と思っています」
上演が決まった時、白井さんがアグネス役にと熱望したのが早見さん。
「白井さんは、アグネスは幼い子供と同じで好奇心が強く、何でも思ったことは口にしてしまうような
ところがある子じゃないかと思うと説明してくださったんです。その時、早見さんもそういうところがあると
思うんだよね、とおっしゃられたんです。お会いしたのは、この作品が決まってからのはずなのに、
何で私のこと知ってるんだろうって(笑)」
大人っぽい見た目ゆえクールな印象を持たれがち。
でも、「私をよく知る人からは、子供みたいだって言われる」そうで、「近寄りがたいのかと思ったら、
じつは話しやすいっていうのは、いいほうのギャップだと思うので」とニッコリ。
屈託のない話しっぷりにその片鱗が窺える。
http://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_AnanNews_3088/
http://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_AnanNews_3088/pid_2.html
「怖くても、不安でも、楽しいと思っても、どっちにしろ初日にはお客様の前に立っているわけですし、
最後は開き直ってやるしかないです」
しかし、それでもやはり「怖い」。
「基本的に自分は腹を括ったら強いタイプだと思っているんですけれど、いまだ括れていない。
こんなことって、いままでにないんです。ただ先日、白井さんから、もしダメだったとしても
『選んだのは白井さんなんだから、私は悪くないです』って言ってくれていいよ、と言っていただいてから
随分楽になりました」
アイドルを辞めて女優の道に専念して5年。いま大きな岐路に立つ。
「稽古だけで1か月という期間ずっとひとつの作品のことを考え続けるって、これまでにはやったことのない
経験です。飽き性の私がどうなっていくのか興味ありますよね」
◇はやみ・あかり1995年生まれ、東京都出身。’11年までももいろクローバーで活躍。女優転身後のおもな出演作に、
ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』『ちかえもん』など。